なんで離婚したくないの?ってちょっと考えてみる

夫には散々、嫌な気持ちにさせられてきた。夫の嫌なところ、たくさんみてきた。話も長いし、自慢話もすごいし、気持ちにも寄り添ってもらえず、自分勝手で、センスも趣味も価値観も全然違うし、一緒にいても楽しいことなんかない。

 

そう思ってたはずなのに、いざ離婚、となると、なぜ一歩前に踏み出せず、離婚したくないと思ってしまうんだろうか。急に、良いところもあるよなぁ…なんて気持ちになるんだろうか。ちょっと箇条書きにして整理してみる。

 

  • 娘から父親を奪ってしまう罪悪感。娘は、いつも一緒に遊んでくれるパパのことが大好きだ。娘はいつも「どんなことがあっても、喧嘩してでも一緒に住むと決めてる。この家族3人で暮らすと決めて、このおうちに生まれてきたのだから、一回や二回離れてもまたどうしても3人で一緒に住みたい。」と言い続けてきた。共感や同情のできる人間の私は、それを聞くたびに辛い気持ちになってしまい、娘の気持ちを尊重したいと思った。友達に話すと、子供が大きくなったときに、「あのとき、あなたに離婚したくないと言われたから我慢した」ということが伝わって逆に傷つけてしまうこともあると聞いた。ちなみに、共感のできない夫に、「娘がこう言っていたよ」というと「子供は子供で自分で乗り越えていけるから大丈夫だ、問題ない」と一蹴された。

 

  • 私だって長年、苦しんできたのに、全部私のせいかよ!!相手から離婚を突きつけられた悔しさ。わかってもらえないから、今までも辛かったのに、最後の最後までわかってもらえない苦しみ。なんだかんだで、夫のこだわりを毎回かなえるために私は彼と12年間一緒にやってきて、最後の最後まで夫のこだわり「離婚」をかなえるための、そういう存在なの?私は?私の夢なんかは、全部あなたに打ち砕かれたよ!

 

  • 私は今、専業主婦。しかもこのコロナ禍。そうそうすぐに生活が安定して自立して子供を育てていけるとは思えない。それには時間がかかる。ただの男と女の関係だったらとっくに別れているだろうけど、子供を育てて行くには、2人いた方がやはり育てやすいし、男親と女親がどちらも揃っている方が子供にとっても良いだろう。

 

  • 夫は、夫が6−7才のときにやはり、両親が離婚している。私の両親も、私の子供の頃は不仲でよく喧嘩を見せられた。私の両親こそが、アスペ夫✖️ADHD妻の関係性にあるのではないか、と思うことすらある。だから私は、長年、私と夫の関係にあまり突っ込んで考えたことがなかったのではないか。特に幸せでもなかったが、夫婦なんてこんなもの、と思い込んでいたのではないか。その反面、いや、そんな背景があるからこそ、「夫婦とは幸せであるべき」「こうあるべき」みたいな理想像が強すぎた。その理想像が強すぎたために、そこからかけ離れて行く状態にストレスが生まれ、そのストレスがまた関係悪化に拍車をかけた。それらに対する後悔。もう一回、数年前に戻り、まだ修復可能だった状態から、やり直してみたい。そのチャンスが欲しい。もう少し早く気づけなかったから、後悔の念に晒されるだけで、やり切った感がない。

 

  • 夫はまず間違いなく、アスペルガー。なのに私は、違和感を抱え続けるだけで、長年その正体に気づくことができなかった。夫は外国人、10歳年下、彼からの「ソウルメイトだ!!」という純粋で真っ直ぐな気持ちを情熱と受け取ってしまい、「彼は運命の人なんだ、だから一生一緒にいる」という呪縛から離れられなかった、初めて付き合った理系の人、幼稚園から高校まで一貫校の男子校で、一人っ子のおぼっちゃま、大学は工学部で、ITエンジニアだし、こんなもんか…と、「違和感」を覆い隠すベールがあまりにも重なりすぎていた。もっと、アスペルガーというものに早く気づいていたら…早く気づいて、私側に対処ができていたら…対処した上で、やはりうまくいかなかったという流れがあってからの今、離婚、ということならきっと受け入れられる。しかし、やってみたかったのにできなかった悔しさみたいのを持ったまま、すっきり離婚する気持ちになれない。これもまた後悔。

 

  • 仲の良かった時代も、もちろんあった。夫はアスペだけど、アスペだからこその良いところもいっぱいあって、私が惚れ込んだ性格的な「長所」部分もまたアスペならでは。例えば、真面目で浮気はしないところ、社会的ルールを守る、地雷さえ踏まなければ、常に穏やか、など。感情を表さないところも、欠点だが長所にもなる。お互いが、お互いの良いところ悪いところを認め合うことができ、またもう一度やり直そう、という気持ちになれるなら…また仲の良い、楽しい家族3人の生活ができるのではないかという淡い、切ない期待。

 

こう並べてみると、過去に囚われていることの方が多いのかな。目の前の現実に直面できていないのかもしれない。一番最後のは、私が1人で頑張ったところで、悔しいけどなんともならない。相手の気持ちが、「離婚」に完全に固まっているからなんともできない。単純に考えると、娘もそうしたいと思っていて私もそうなのだから、家族会議で「2:1」で私たちの勝ち!となりそうだが、そもそも夫には離婚に対するこだわりが強すぎて、話し合う姿勢がない。

 

でも、「「修復」するには遅すぎる、「修復」するなら、まだ僕がそうしようと努力をしている間にお前が気づいて、そうするべきだった」などと、私の後悔を呼び起こすような発言を夫が多くするから、なかなか前に踏み出せない。夫も、仕事はうまくやれてこれた人で、馬鹿じゃないんだから、「離婚したくない妻を離婚したくなるように持って行く、思いやりや言葉遣い」的な心理的なやり方で、私を楽にしてくれないもんだろうか?

 

きっと私の方も、そんなことうまくできてるはずもなく、ただ相手を苦しめているだけだ。「このまま関係を続けていても、誰も幸せにならない」夫はいつも、正論のような、解決法のようなことだけを吐いて、私を助けてくれたり悩ませてきた。今回も、夫の言っていることの方が「論理的」で「正しい」ように聞こえてしまうから、余計私も苦しむことになる。

 

「理論」と「感情論」の平行線の決着はいつつくのか?